英語にしやすい日本語

「翻訳しやすい日本語」というものがあります。

普段、みなさんが日本語を書くとき、その文章が、英語や他の言語に翻訳されるなんてことを意識されているでしょうか?
おそらく、されていないでしょうね。

取扱説明書の原稿作成をする「テクニカルライター」という職業があります。
あまり耳慣れない職業ですが、この「テクニカルライター」は、いかに分りやすい日本語を書くか、そして、いかに「翻訳しやすい」日本語を書くか、ということに日々神経を使っています。

今や情報機器をはじめとした日本の工業製品は、海外に輸出され、世界中のユーザーに利用されることが当たり前。
それらの製品についての取説も、大体の場合は日本のメーカー(または外注業者)が制作するのですが、当然、最初は日本語で書きます。

日本語で正確な取説が完成したら(ときには完成する前に)、それをまずは英語に翻訳します。
その後、英語からフランス語やイタリア語、ロシア語や中国語など、世界各国の言語に翻訳されるのです。

そのため、「翻訳しやすい日本語」を最初に書いておかないと、英語にする時、そしてさらに他の言語に翻訳される時に、少しずつ「ズレ」が生じてきてしまいます。

少しの「ズレ」でも、製品によっては、ユーザーの命に関わるような事故を引き起こす可能性があるのです。
そうした事故を防ぐために、テクニカルライターは、正確かつ翻訳しやすい日本語を書く必要があるのです。